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「F+xBCMコラボカレンダー解説:ジャック・ロビンソン」 - F+コラム

Text by つのだゆき

エフプラスコラム - ジャック・ロビンソン
Photo by snowy

カレンダー10月はジャック・ロビンソン。1月のイーサン・ユーイングと同じく、お手本のカービング。優勝したベルズでのショットだ。昨年のベルズは波が今ひとつで、特にファイナルデーはなかなかこういうことがやれる波が入ってこなくて、これを待って数本で決めるのか、ほかの波に乗ってミドルレンジをそろえるのかの勝負みたいな感じだった。これを待って、と言っても、これ、よく見てください。波がものすごいペタペタというか、寝てるというかブレイクしているのにファットというか、志田トラみたいな(笑)。普通の人ならこんな場所でこんなことできないわけですよ。レールが入っていかない。そこ、フルレールに持っていくところがジャック・ロビンソンのジャック・ロビンソンたる由縁というか、強靭な脚力のなせるワザなわけです。スピード感もあるし。

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前回歯車のかみ合わない伊東李安琉の話を書いたけど、つい最近まで、ジャック・ロビンソンこそバラバラな歯車だったわけで、きっちり合えばこんなに変わるんだわよね、という典型的な例だと思う。自分のサーフィンや生活習慣を徹底的に見直し、トレーニングをまじめにやって、すべてを再構築していく作業は並大抵の努力ではない。騒がれていればいるほど、プライドを捨てるのは大変で、自分のサーフィンを正確に見直すことができない。だから神童からすんなり神になれる例は少ないのだ。

エフプラスコラム - ジャック・ロビンソン
2013年、バリでのCTにワイルドカード出場したジャック(Photo by snowy)

ウエスタンオーストラリア、マーガレットリバーの神童として、13~14歳ぐらいから世界的に騒がれていて、マーガのCTの時には会場横のボックスで華奢な金髪の子がスルスルバレルを抜けて話題になっていた。その後のジュニア期も騒がれっぱなしで、2013年にはCTのオークリープロ・バリにワイルドカードで登場。その後もトライアルだのなんだのとちょいちょい名前が出てきたが、その後表舞台から姿を消してしまう。クオリファイの重圧やツアーのストレスは、まだ10代のジャックにはきつかったのだろう。その後、2018年にようやく歯車がかみ合いはじめ、2019年に念願のクオリファイを果たした。

中学生年齢から世界で騒がれるという部分ではジョンジョンと似てるかな。ジョンジョンもクオリファイにはちょっとてこずった。まぁ、どちらも早熟というか、この先の長い人生大変だなぁ、という感じ。
ケリーたちの時代には彼らも若いころから騒がれてはいたけど、世界レベルで話題になってくるのは高校生になってからだ。青田買いではないけど、最近は騒がれだすのも早いし、見捨てられるのも早い。15歳なんてこれから身体も何もかも変わるのに、先のことなんてわからんよ。

そういう意味ではジャックはスタックしていた場所から抜け出して、正しい方向に集中できて幸運だったと思う。ストレスやプレッシャーとうまく付き合えずに消えて行ってしまう選手も多い中、ジャックは今の自分の位置をしっかり見据えてハンドリングしている。父親になったのも大きいだろう。
クオリファイしてCTで優勝出来て、そうなれば世の中はワールドタイトルを期待するわけだけど、実力的には十分かな、と思う。クオリファイ前のスタックしていた時期に全開だった成績のアップダウン、不用意な取りこぼしさえ克服できれば行けるはずだ。
ビッグウエイブバレル、エアーゲーム、レールゲーム、スモールウエイブ、オールラウンドにこなせる選手。ポイントには関係ないかもしれないけど、スタイルも美しいし、どこの会場でも見ていて楽しい選手のひとりだ。

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